水谷修さんの講演で(小出ししかできなくてごめん)「今の親子関係はハリネズミの関係がとても多い。針が痛くて抱き合えない。」
というフレーズがあった。
こんな本当の話をしてくださった。
”高校生の娘は学校行事の打ち上げに行く。帰るタイミングを逃し、時間がどんどん遅くなる。「心配してるだろうな」とやっとの思いで、家路を急ぐ。
母は心配しながらも帰ってきたら笑って「おかえり」と言おうと思っている。そこへ父が「もう、何時だと思ってるんだ!おまえのしつけが悪いからあいつがこうなる!」と叫ぶ。母の中で急にいらだち、怒りが込み上げる。
そこへ娘が急いで帰ってくる。母の口から思いがけず「今何時だと思ってるの!」と言う言葉が出る。娘は必死に帰ってきた思いが急にバカバカしくなり外へ飛び出す。
この時から娘は夜の世界をさまようようになり、親子の関係は今ももどれない。”
どこの家庭でも見られる光景だ。そんなに特別なことではないだろう。
本当はみんなとても優しい。心の中でいつも誰かを思いやり、気遣っている。きっと、みんな誰も。
ほんの少し、何かがほんの少しズレルだけでムクムクと針が立ってしまうんだろう。人間がいとも簡単にハリネズミになってしまえるということなんだろう。
針を立てても修復できる関係、傷ついてもいいから抱きしめて針をねかせる関係、それはそんなに難しいことではないと信じている。
どれだけ家族と一緒に笑っているか。どれだけ夢を語っているか。どれだけ楽しい話をしているか。どれだけ幸せを見つけているか。
どれだけ好きだと伝えたか・・etc。
書いてみると、やっぱりとても簡単なことだと気づく。
材料は全て子ども達が持っている。私たちはそれを表現するだけのことだ。
その作業をサボっている親(大人)のなんと多いことか・・と気づいた。
自分、不器用ですから・・(高倉健になりきって^^;)。なんて言わせない。そこんとこ、きっちり。その作業だけは不器用でも丁寧にしていかなくちゃ。